保土谷化学健康保険組合

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新着情報

[2021/11/10] 
ティーペック健康ニュース第350号「糖尿病予防として効果が高い『運動』」

第350号 2021/11/10

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

 

今月のテーマ

糖尿病予防として効果が高い「運動」』

 

糖尿病は発症すると生涯にわたり治療への取り組みが必要な慢性疾患です。放置したり、血糖のコントロールがよくない状態が続くと、さまざまな合併症が起こり、生活の質(QOL)が低下してしまう全身病と言えます。しかし、いまや6人に1人は糖尿病と言われる国民病です。今回は「運動」に焦点を当てた糖尿病予防の方法を探ってみます。

 

運動が糖尿病予防に重要な理由とは

運動を続けると脂肪が燃焼され、かつ筋肉量が増えるため肥満解消につながります。しかし、運動による効果はそれだけではありません。糖尿病の発症を左右する血糖値やインスリンの働きなどにも影響するため、糖尿病予防への多方面からの効果が期待されるのです。健康づくりや予防はもちろん、適度な運動は糖尿病の治療にも役立てられています。

 

運動は多方面から糖尿病を予防してくれる

運動のメリットは糖尿病の予防に対して、複数の方向から複数の要素でもってアプローチできることです。運動ひとつで同時並行的に各種効果が得られるのが大きなメリットです。

●血糖値の上昇を抑えてくれる

運動すると食後に増えたブドウ糖が筋肉に取り込まれるため、血糖値の上昇を防いでくれます。

●インスリンの働きがよくなる

筋肉が増えることでインスリンの効果が高まり、血糖値が下がりやすくなります。

●基礎代謝がアップする

運動によって筋肉量が増えると、基礎代謝量が上がり、身体のエネルギー消費量が増えます。これは血糖コントロールやインスリンの感受性を高めるうえでも効果的です。

●高血圧や脂質異常症の改善効果

運動は、糖尿病とかかわりのある高血圧や脂質異常症の改善にもつながります。

●ストレス発散によるメンタルヘルスへの効果も

体を動かすとストレスが緩和されるなど、メンタルヘルスの改善にも効果があります。

 

糖尿病予防のための安全な運動のポイント

いくら効果が期待できるからと言ってエンジン全開で行うのは禁物です。けが予防にも配慮しつつ、継続できるよう無理のない範囲と程度で始め、続けることが大切です。

Point1 運動前には準備運動、後にはクールダウン

運動でけがをして動けなくなっては本末転倒です。運動前には、準備体操で体を慣らし、運動後には

ストレッチなどでクールダウンして疲れをやわらげるようにしましょう。

Point2 軽い運動からはじめ少しずつ運動量を増やす

いきなり長時間激しく体を動かすことは危険です。最初は軽い運動から始め、徐々に運動量を増やし

ていきましょう。その日の体調も考慮しながら運動量を調整し、無理をしないようにしてください。

Point3 継続することが大切!

運動による筋力向上やインスリンへの効果などは、いったん中断してしまうとその効果がうすれてし

まいます。週1日まとめて行うよりは、少しずつでも無理せず行い、日々継続させることが重要です。

 

運動療法を控えるべき人

予防や治療に効果のある運動ですが、控えるべき人もいます。次の事項に当てはまる人は運動を控える必要があり、医師と相談のうえ予防や治療に努める必要があります。

・血糖値が著しく高く、血糖コントロールが不良な人

・進行した合併症を持つ人

・心筋梗塞や狭心症の人

・膝や足の関節などに障害がある人

・重度の肝障害がある人

◇         ◇        ◇

 

ライフスタイルの欧米化と高齢社会を背景に、糖尿病の患者数は増加傾向にあります。糖尿病は血糖値が高い状態が続くことで血管や神経がおかされ、さまざまな合併症が引き起こされる病気です。健康な人は肥満を防ぎ、バランスのよい食事と適度な運動を心がけ、健康診断などで所見があった際は血糖値をしっかりとコントロールすることが必要です。また運動には糖尿病予防以外にもさまざまなメリットがあります。これから寒くなる時期ですが、家にこもりがちにならずに適度な運動を始めてみませんか。屋内でも実施できるストレッチや筋トレでも構いません。寒さ、インフルエンザ、コロナに負けずにこの冬を乗り切る体力をつけておきましょう。

 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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