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ティーペック健康ニュース第351号「『やけど』冬場の危険!万が一のときに」
第351号 2021/12/10
ティーペック健康ニュース
発行:ティーペック株式会社
今月のテーマ
『「やけど」冬場の危険!万が一のときに』
寒い季節に気を付けたいのがやけどです。応急処置として、最初にしなければならないのは水で冷やすことです。時間経過や患部の状態によって異なりますが、冷却することが第一の対処となります。そのほかは状況に応じて対応します。主なポイントを整理してみました。
冷やし過ぎに注意
自宅でやけどを負ってしまった場合は、まずは十分な流水で冷却を続けます。ただし、冷やし過ぎて軽度から中度の凍傷を負ってしまうこともなかにはあります。氷水で冷やすときなどは、2重にしたビニール袋に入れた上でタオルなどで包み、「氷が皮膚に直接触れないようにする」と冷やし過ぎを防ぐことができます。
こんなときはすぐに受診を
流水による冷却など応急措置がうまくいったように感じても、次のような場合は重症化したり、跡が残りやすいことが多いので、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。なお、民間療法はやめましょう。
・冷却を続けて1時間以上経過しても、脈を打つような強い痛み、ズキズキとした痛みがある
・やけどが腕全体、足全体など広範囲にわたる
・顔や陰部など、粘膜に覆われた皮膚の薄い部分がやけどしている
・皮膚の変形が見られる
子供の場合は特に注意
また、子供のやけどは重症化しやすいので特に注意が必要です。細胞が柔らかく、薄く、水分量も多いので、たとえ小さな範囲でも重症化しやすいのが特徴です。まず初めに水の勢いを弱めた流水で十分に冷やしてください。
みそ汁などの熱い飲み物、炊飯器や加湿器の蒸気など、子供の周囲にはやけどの危険がいっぱい。あらかじめ手の届く所に置かないようにしておくなどの配慮はもちろん、いざというときの救急対応の手順もイメージしておきます。救急車を呼ぶ、消防署に連絡して夜間当番医を教えてもらう、近所の医療機関のリストを作っておくなど、事前の準備が一刻を争う万が一のときには役に立ちます。
低温やけどにも要注意
また、体温より少し高めの熱がゆっくりと作用して起こる低温やけどにも要注意です。皮膚が赤くなる程度で痛みも少なく、軽そうに見えますが、長時間にわたって熱の影響を受けるため、皮膚の奥までやけどが達し、思った以上に重症のこともあります。あんかや湯たんぽを使うときは、布袋で覆って直接肌に触れないようにし、使い捨てカイロも必ず下着の上から貼るようにしましょう。電気カーペットや電気毛布は就寝用の暖房器具として使用せず、寝るときはスイッチを切るか、低温設定かタイマー設定にしておきましょう。子供、高齢者、自分で温度調整ができない人には、周りの人が注意する必要があります。
<まとめ―やけどをしたときは>
・まず水で冷やす
・水ぶくれはつぶさない
・広範囲にわたる場合は医療機関へ
・顔面のやけどは医療機関へ
・全身やけどは救急車!
・民間療法はやめる
・低温やけどにも要注意
◇ ◇ ◇
ウィズ・コロナの時代に入り、在宅勤務などで自宅で過ごす時間が増えた方も多いことと思われます。気温がぐっと下がるこの季節、自宅の家事などの場面が増えればそれだけやけどのリスクも高まります。
この冬の長期予報によると、西日本や沖縄では平年並みか平年よりも気温が低く、日本海側では降雪量が多くなる予想となっています。東日本、北日本は平年並みとされていますが、全国的には冬らしい冬になりそうです。上記のポイントを押さえて冬場のやけどを起こさないよう過ごしたいものです。どうぞ事故、けがのない年末年始をお迎えください。
原稿・社会保険研究所ⓒ