保土谷化学健康保険組合

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新着情報

[2022/07/11] 
ティーペック健康ニュース第358号「腸内環境を整えて『免疫力』をアップ!」

第358号 2022/7/10

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

 

今月のテーマ

『腸内環境を整えて「免疫力」をアップ!』

 

ヒトの体は免疫細胞の7割が腸に存在しているのをご存じですか。腸は外部からの病原体の侵入を防ぎつつ、免疫力を強化している免疫の最前線です。免疫力の強弱は、生活習慣病予防や感染症予防、老化や肌荒れ防止など、健康の維持増進にかかわってきます。腸内環境を整えることが免疫力アップの鍵になりますので、そのポイントを見てみましょう。

 

腸は病原体の侵入を防ぐ最前線

意外な臓器が免疫で重要な働きを果たしているのをご存じですか。それは食べ物の消化、栄養の吸収を行う腸です。腸では多くの免疫細胞が活動しており、全身の免疫システムと関係していることが分かっています。

食べ物は口から入り、胃や腸で消化吸収された残りが肛門から出ていきます。口から肛門までを一本の筒と考えると、胃や腸の中は実は体の外側です。腸では消化・吸収を行いますので、病原体の侵入を防ぎつつ、栄養だけを体の中に取り込まなければなりません。このため、小腸の粘膜には大量の免疫細胞が集結し病原体の侵入を防いでいます。腸は病原体の侵入を防ぐ最前線なのです。

 

腸内細菌が免疫の訓練役に

腸にはなんと1,000種、100兆個もの腸内細菌が生息しているとされています。免疫は日頃からこれらの腸内細菌と付き合い、刺激を受けることで強化されていきます。いわば腸内細菌は免疫の訓練役なのです。実際に腸内細菌のいないマウスでは免疫に異常が生じますが、そのマウスに腸内細菌を移植すると免疫が正常に働くようになります。

腸内細菌には消化を助ける善玉菌や、人体に害のある悪玉菌など、さまざまな種類があります。善玉菌を増やして悪玉菌を減らせばよいと考えられがちですが、それぞれの菌は互いに餌を提供し合うなど、複雑に関係し合っています。また、悪玉菌の中にも免疫細胞に役立つ作用をしているものもあり、一概に善玉・悪玉に分類できないともいわれています。重要なのは腸内環境を整え、腸内細菌の多様性とバランスを維持することなのです。

 

■腸内環境を整えて免疫力をアップするポイント

・食物繊維が多い食材を

食物繊維が多く含まれている野菜、豆類、穀類、海藻類を増やしましょう。

・発酵食品を増やす

納豆、みそ、チーズ、ヨーグルトなど、発酵食品は腸内細菌の餌になり、腸内環境を改善します。

脂肪やたんぱく質の摂り過ぎに注意

肉類などの脂肪やたんぱく質は悪玉菌の格好の餌となります。摂り過ぎには注意しましょう。

・ストレスを解消

ストレスがあると腸が過敏になり、下痢や便秘などの異常が起こりやすくなります。

 

免疫の暴走で自己免疫やアレルギーに

免疫では自分と自分以外のものを判別し、病原体などを排除します。しかし、免疫が暴走して誤って自分の細胞を傷付けてしまうと、関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患を発症してしまいます。花粉症をはじめとするアレルギーも免疫が無害の物質に過剰に反応することで、体に害を与えてしまう免疫の暴走の一例です。

そのような免疫の暴走を防ぐために、免疫細胞には免疫の反応を抑制して、沈静化する細胞もあります。「免疫は強ければ強いほど良い」というわけではなく、適切にバランス良く機能していることが大切なのです。新型コロナウイルス感染症でも「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫の過剰反応が起こり、肺などの臓器を攻撃して重篤な症状となる事例があることが知られています。

 

 

最 後 に

 

上述にありますが、腸内細菌の多様性を維持するには、腸内細菌の餌となる食物繊維が多い食材や発酵食品を食べることが大事です。食物繊維の多い野菜、豆類、穀類、海藻類や、納豆、みそ、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品を食べて腸内環境を整えましょう。

いずれにしても多様な食品をバランス良く食べることがポイントです。1回の食事や1日の食事でできるだけ多くの種類の食品を食べること。麺類や丼ものなどの単品は、具の種類の多いものを選び、副菜をプラスすると良いでしょう。食事内容の見直しとあわせて、適度な運動と十分な睡眠を心掛け、免疫力を高める生活を送りましょう。

 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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