保土谷化学健康保険組合

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新着情報

[2024/06/23] 
ティーペック健康ニュース第381号「口から老化予防を始めよう」

第381号 2024/6/24

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

 

今月のテーマ

『口から老化予防を始めよう』

 

口や歯の健康は、全身の老化予防に直結するものです。口や歯の健康を守ることで、心身の健康状態の改善にもつながります。口の中からの老化を防いで、健康寿命を延ばしましょう。

 

口腔(こうくう)機能の衰え「オーラルフレイル」

オーラルフレイルは、「オーラル」と「フレイル」という2つの英語から成る造語で、日本語で表現すると「口腔の虚弱」となります。日本で考案された概念であり、かむ、飲み込む、話すなどの口腔機能の衰えを意味しています。

口腔機能の衰えを放置すると、かむ力や舌の動き、飲み込む機能などが悪化して、食生活に支障を及ぼし栄養不良などを引き起こします。それにより筋力が衰え、さらには身体の機能低下につながってしまいます。

また、口には食べる以外にも、会話をしたり、笑ったりするコミュニケーションの役割もあります。滑舌や歯の状態が悪くなったり口臭が気になったりすることなどで、社会や人との関わりの減少を招いたりとさまざまな問題が生じます。

 

●オーラルフレイルのセルフチェック

以下に挙げたような、口に関する“ささいな衰え”が続く場合には、すでにオーラルフレイルが始まっているかもしれません。口腔機能を回復させるために、これらの症状に早めに気付いて対策を取ることが大切です。

・むせる、食べこぼす    ・食欲がない、少ししか食べられない

・かたい物がかめない、やわらかい物ばかり食べてしまう

・滑舌が悪い、舌が回らない ・口が渇く、口臭が気になる

・自分の歯が少ない、顎の力が弱い

 

オーラルフレイルの具体的な対策方法

●毎日の丁寧な歯磨き

口のトラブルの代表である歯周病とは、成人の約8割が感染している、もしくは予備群であるともいわれており、虫歯と並んで歯を失う最も大きな原因にもなっています。そして歯を失うだけでなく、原因菌が歯茎の血管から血流にのって全身の臓器に悪影響を及ぼすことで、糖尿病をはじめとしたさまざまな重篤な病気のリスクを高めてしまう恐ろしい病気です。

そこで重要になるのが、毎日の歯磨きです。歯磨きの目的は、細菌の塊であり歯に付着した白くやわらかな沈着物「プラーク」を除去して、口の中の細菌の数を減らすことです。1日の歯磨きの回数ももちろん重要ですが、雑な3回よりも丁寧な1回の方が効果的ともいわれています。1日のうち最低1回は、特に時間をかけて丁寧に磨き、歯間ブラシやデンタルフロスも使って、歯ブラシだけでは届かない場所もきれいにしましょう。

 

●免疫力を高める生活に

歯周病は細菌による感染症であるため、免疫力を高めることが重要です。栄養バランスの良い食事や質の良い睡眠などの毎日の規則正しい生活に加えて、タバコを吸っている人は禁煙に努めましょう。細菌を増やさないためには、細菌の餌になりやすい糖分の取り過ぎにも注意が必要です。

 

●かかりつけ歯科医を持つ

かかりつけ歯科医を持つことで、定期的に歯や口の健康状態を診てもらうことが大切です。虫歯や歯周病の早期発見はもちろんのこと、口腔内の小さな変化に気付いたり、口に関する相談に乗ってもらえたりします。口腔の健康を保つことで、全身の健康や生活の質が高まります。

「歯医者には、歯が痛くなったとき以外には行きたくない」と思ってしまう人も少なくないかもしれません。しかし、プラークが石灰化した状態になってしまった歯石は、歯ブラシだけでは除去できません。歯のプロである歯科医や歯科衛生士によるクリーニングなどのケアが必要です。かかりつけの歯科医を決めて、3ヵ月に1度は歯のクリーニングと歯科健診を受けるようにしましょう。定期的に歯の状態の変化に気が付く機会を持つことができ、歯の磨き方のアドバイスを受けることもできます。

口と歯の健康を守るためには、歯が「痛くなってから」よりも「痛くなる前」に診てもらうことが大切です。

 

●よくかんで食べる

「かむ」ことには、さまざまな健康効果があり、健康寿命を延ばすことにもつながります。第一に唾液の分泌です。かむことで分泌される唾液には、消化を助けるだけでなく細菌の増殖を防いで口と歯を守る役割があります。一口ずつよくかんで食べることで、唾液の分泌を増やしましょう。

そして、ゆっくりよくかんで食べることで、同じ食事でもより満腹感が得やすくなり、食べ過ぎによる肥満の防止になります。よくかみ細かく咀嚼(そしゃく)されることで、胃腸の負担を軽減することにもつながります。

また、かむことで顎の筋肉を動かすと、血管や神経が刺激されて脳が活性化し、認知機能の低下を防ぐ効果があります。口周りの筋肉を使うことで、会話の発音を良くしたり、表情をイキイキさせることにもつながります。

 

●口呼吸よりも鼻呼吸

呼吸には、口で行う「口呼吸」と鼻で行う「鼻呼吸」とがあります。口呼吸では、呼吸の際に口腔内が乾燥することで細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病の悪化、口臭の原因にもなります。一方、鼻呼吸では口腔内の乾燥を防げるだけでなく、鼻がフィルターの役割を果たしてくれるため、インフルエンザや風邪などの感染症の予防にもつながります。できるだけ普段から鼻呼吸をするように意識してみましょう。

 

最 後 に

 

口のささいな衰えを感じたら、「年のせいだから仕方がない」と諦めて放っておかずに、少しでも早く積極的に対策を取りましょう。また、衰えを感じていなくても、今のうちから口や歯の健康のために対策できることを習慣的に行い、心身の健康につなげましょう。

 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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