保土谷化学健康保険組合

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[2025/10/20] 
ティーペック健康ニュース「座ったままできる“ながら運動”で運動不足解消!」

第397号 2025/10/20

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

 

今月のテーマ

「座ったままできる“ながら運動”で運動不足解消!」

 

秋も深まり、外での運動が心地よい季節です。しかし、忙しい毎日でまとまった運動時間を確保するのは難しいもの。デスクワークが中心の方は、長時間座り続けることで運動不足を感じていることが多いのではないでしょうか。そこで本記事では、オフィスでもできる、簡単で効果的な“ながら運動”をご紹介します。仕事や家事の合間に取り入れて、リフレッシュと健康的な体づくりを始めてみませんか。

 

長時間座り続けることの影響と“ながら運動”の効果

現代人の多くは1日8~9時間も座って過ごしており、特にデスクワークが中心の人は座っている時間が長くなります。長時間座り続けることで同じ姿勢を続けると、限られた筋肉だけを使い続けることになるため、緊張状態が続いた筋肉の部分は血流が悪くなって痛みやこりなどの不調を感じるようになります。上半身では肩こりや首の痛み、下半身では足のむくみや冷えにつながります。また、使わない下半身の筋力が低下すると、基礎代謝が下がることによって太りやすくなってしまいます。

問題なのは、血流が悪くなることは集中力や思考力にも悪影響を与えることです。血流が悪いと、脳への酸素供給や老廃物の排泄が不十分になります。このため、座っている状態が比較的長くなってしまう午後は、頭がぼんやりしたり、だるさや疲れを感じやすくなったりします。その状態では集中力が低下して仕事の効率が悪くなるだけでなく、ストレスもたまりやすくなります。

そこで注目したいのが“ながら運動”です。“ながら運動”とは、日常生活で何かをしながら同時に行う運動のことです。例えばデスクワーク中にほんの数分間体を動かすだけでも筋肉の緊張がほぐれ、血流を改善させることができます。脳への血流も回復しますから、集中力も高まります。

ながら運動程度では「大したことがない」と考えがちですが、小さな積み重ねは大きな健康効果をもたらします。

 

継続するためのコツと日常生活への取り入れ方

“ながら運動”は気が付いたときに行うだけでも十分ですが、習慣化するとさらに効果的です。特に筋肉を増やすための筋力トレーニング(筋トレ)を取り入れると、続けているうちに筋力が増え基礎代謝が向上するため、肥満解消にもつながります。

職場では、仕事中に自然に取り入れられる工夫をしてみましょう。パソコンの画面を見ながら足首を回したり、電話をしながら肩を回したりするなど、業務に支障がない範囲で行います。ストレッチタイムを設けて、同僚と一緒に取り組むと継続しやすくなります。自宅では、テレビを見ながら、料理をしながら、読書をしながらなど、さまざまな場面で運動を取り入れてみましょう。家族と一緒に行えば、健康習慣の共有にもなり、お互いのモチベーション維持にもつながります。

時間を決めて取り組むことがポイントになりますので、タイマーやアラーム機能を活用し、1時間おきに数分間の運動時間を設けるなど、習慣化してはいかがでしょうか。スマートウォッチなどのウェアラブル端末には、一定時間座りっぱなしだと体を動かすことを促す通知をしてくれる機能付きの物がありますので、ぜひ活用してみてください。スマートフォンのアプリやスマートウォッチの活動記録機能などで運動の記録をつけておくと、達成感が得られ、継続する意欲につながります。

運動の強度は、体調や環境に合わせて調整することが大切です。疲れているときは軽めのストレッチ中心に、元気なときは筋トレ要素を多めに取り入れるなど、柔軟に対応しましょう。完璧を求め過ぎず、「できるときにできることを」という気持ちで取り組むことが継続の秘訣です。

 

オフィスなどで行える“ながら運動”

ここでは、オフィスなどですぐにできる“ながら運動”を運動の強度別にご紹介します。体調や目的に合わせて実践してみてください。行う際は呼吸を止めずに行うことが大切です。転倒を防ぎ、周囲のものにぶつかることを避けるためにも、余裕を持った動作で行ってください。

 

●ストレッチ(疲労回復・リフレッシュ重視)

 リフレッシュに効果的。仕事の合間に筋肉の緊張をほぐして集中力を回復させましょう。

肩回し

両肩を前に5回、後ろに5回ゆっくりと大きく回します。肩甲骨を意識して動かすことで血行促進と肩こり解消に効果があります。デスクワークで固まった肩周辺をリセットでき、首や背中の緊張も和らげます。

首の
ストレッチ

頭をゆっくりと左右に倒して各10秒キープします。前後にも倒して首全体をほぐします。首や肩の緊張を和らげ、頭痛予防にも効果があります。パソコン作業で前かがみになりがちな姿勢をリセットし、首の可動域を改善します。

手首回し

手首を時計回り、反時計回りに各10回ずつ回し、両手を開いたり閉じたりとグーパーを10回繰り返します。長時間のタイピングによる手首の疲れを軽減し、血行を改善して作業効率が向上します。手首や指の痛みやしびれの予防にも効果的です。

目の
ストレッチ

顔は正面を向けたまま、上下左右を見る運動を各5回ずつ行います。目だけで遠くと近くを交互に見るように動かします。眼精疲労を軽減し、目の筋肉をほぐすことができます。画面を見続けて緊張してしまった目の筋肉をリラックスさせます。

 

●軽い筋トレ(基本的な筋力向上)

基本的な筋力向上を目指す方に。継続することで筋力アップと代謝向上が期待できます。

膝伸ばし
 

イスに座ったまま片足ずつ膝を伸ばし、足を水平に上げて5秒キープを左右10回ずつ行います。太ももの筋力アップと血流改善に効果があります。爪先を手前に向けるとふくらはぎの筋肉も同時に鍛えられ、より効果的です。膝に痛みがある場合は無理をせず、上げる高さを調整してください。

かかと上げ

座ったまま、爪先立ちをするようにかかとの上げ下げを20回行います。ふくらはぎの筋肉を鍛え、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎのポンプ機能を活性化させます。血液の循環量が増えて足の疲れやむくみを効果的に解消できます。

腹筋運動

背筋を伸ばして座り、おへそを背中に近づけるイメージで腹筋に力を入れて10秒キープを5回行います。おなか周辺の引き締めと体幹強化に効果的です。正しい姿勢を保ちながら行うことで、腰痛予防にもつながります。

背筋運動

両手を頭の後ろで組み、肘を後ろに引いて肩甲骨を寄せて5秒キープする動作を5回行います。背中の筋力強化と姿勢改善に効果があります。猫背の改善に特に効果的で、胸を開くことで呼吸も深くなります。肩甲骨周辺の筋肉を意識するのがポイントです。

 

●やや強めの筋トレ(効果的な筋力アップ)

運動不足解消と効果的な筋力アップを目指す方に。短時間で筋肉に負荷をかけます。

イス

腕立て伏せ

イスの背もたれに手をつき、体を斜めにして腕立て伏せの動作を10回行います。胸筋・腕・肩の筋力を強化し、上半身全体を鍛えられます。イスが動かないように注意して、体を一直線に保つことがポイントです。慣れてきたら回数を増やすなど負荷を調整してください。

イス

立ち上がり

椅子から手を使わずに立ち上がり、ゆっくり座る動作を10回行います。太ももとお尻の大きな筋肉を効率的に鍛え、下半身の筋力と代謝向上に効果的です。日常動作に直結する実用的な筋トレで、将来の歩行能力を維持するためにも重要です。立ち上がりが困難な場合は、浅く座った状態から始めてください。

壁腕立て伏せ

壁から腕1本分離れて立ち、壁に手をついて腕立て伏せの動作を15回行います。上半身全体の筋力アップに効果的で、場所を選ばず実践できます。肩幅に腕を開き、体を一直線に保ちながら行います。壁との距離を調整することで負荷を変えられますので、運動習慣のない方でも安全に始められます。

スクワット風運動

イスに座った状態から、お尻を浮かせて3秒キープする動作を10回行います。太ももとお尻の筋肉を集中的に鍛え、下半身の筋力強化と代謝向上に効果的です。完全に立ち上がらず、中腰の状態を保つことで筋肉への負荷を高めます。膝が爪先より前に出ないよう注意し、お尻を後ろに突き出すイメージで行ってください。

 

最 後 に

 

まとまった運動時間が取れなくても、日常生活の中で少しずつ体を動かすことができれば運動不足の解消につなげられます。今回ご紹介した“ながら運動”は、特別な道具も必要なく、今すぐにでも始められるものばかりです。最初は1日数回から始めて、徐々に回数を増やしていきましょう。継続することで、肩こりや腰痛の改善、集中力の向上など、さまざまな効果を実感できるはずです。健康的な生活習慣の第一歩として、ぜひ今日から取り入れてみてください。

 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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