保土谷化学健康保険組合

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[2026/07/23] 
ティーペック健康ニュース「夜遅い時間の食事 気を付けるべきポイント」

第406号 2026/7/23

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

 

今月のテーマ

夜遅い時間の食事 気を付けるべきポイント

 

慌ただしい毎日、気が付けば夕食が夜9時、10時を過ぎてしまう――そんな日が続いていませんか。仕事や家事などに追われていると食事時間は不規則になりがちで、夜遅くに食事を取る方も少なくないかもしれません。また、「夜遅く食べると体に良くなさそう」と気にしつつ、つい食べてしまう方も多いのではないでしょうか。実は、同じ食事内容でも「いつ食べるか」によって体への影響は大きく変わることが、近年の研究で分かってきました。本記事では、夜遅い食事が体に与える影響と、忙しくても実践できる食事の工夫をご紹介します。

 

夜遅い食事はなぜ体に負担?「時間栄養学」から見たメカニズム

「何を食べるか」「どれだけ食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」に注目するのが、近年関心を集めている「時間栄養学」という考え方です。私たちの体には約24時間周期で時を刻む「体内時計」があり、消化、吸収、代謝などの働きに影響を及ぼしています。同じ物を食べても、時間帯によって脂肪の付きやすさや血糖値の上がり方が変わってくるのは、この体内時計の影響です。時間栄養学はこの体内時計の仕組みを利用して、健康的な食事の取り方を明らかにしています。

時間栄養学で注目されているたんぱく質の一つに、BMAL1(ビーマルワン)というたんぱく質があります。BMAL1には脂肪を体にため込む働きがあり、その量は時間によって大きく変動します。日中は少ない状態ですが、夜になると徐々に増え始め、夜10時頃から深夜2時頃にかけて最も多くなります。つまり、同じカロリーの食事でも、夜遅くに食べると日中に食べたときよりも脂肪としてため込まれやすくなるのです。

夜遅い食事の影響は、肥満だけではありません。寝る直前に食事を取ると、胃の中に食べ物が残ったまま横になることになり、胃酸が食道に逆流して胸焼けなどを起こしやすくなります。これが続けば逆流性食道炎の原因にもなりかねません。また、消化のために内臓が働き続けることで体が休まらず、睡眠の質が下がり、翌日の疲労感や日中の眠気、集中力の低下を招くこともあります。働き盛りの世代にとって、夜遅い食事は知らず知らずのうちに体への負担を積み重ねているのです。

 

翌日の体調まで変わる!「セカンドミール効果」を味方に付ける

夜遅い食事の影響を和らげるには、その日の食事だけでなく、翌朝の食事までを含めた一日全体の食べ方を見直すことが大切です。ここで知っておきたいのが「セカンドミール効果」という考え方です。これは、最初に取った食事の内容が、次の食事の後の血糖値にまで影響を及ぼす働きのことです。例えば、朝食に食物繊維の豊富な食品を取ると、その朝食後の血糖値の上昇が穏やかになるだけでなく、昼食後の血糖値の上昇まで抑えられることが分かっています。血糖値の急上昇を抑えると、食後の眠気が起こりにくくなり、糖尿病のリスクを下げることにもつながるといわれています。

これは、夜遅い食事をした翌朝にも応用できます。前の晩の食事が遅かったり量が多かったりすると、翌朝は食欲が湧かず朝食を抜きがちです。しかし、朝食を抜くと昼食後の血糖値が急上昇しやすくなり、生活リズムの乱れにもつながります。食物繊維の豊富な食品を朝食に取ると、昼食後の血糖値の急な上昇を抑えることが期待できます。お薦めの食品は、麦ごはん、納豆、バナナ、わかめや野菜たっぷりのみそ汁などがあります。これらの食品には食物繊維が豊富に含まれており、朝食のメニューにはうってつけです。「夜遅く食べたから朝は抜く」のではなく、「夜遅くなったからこそ翌朝に軽くでも食べる」と意識を切り替えてみましょう。

あわせて意識したいのが「絶食時間」です。これは前日の夕食から翌日の朝食までの間隔のことで、夕食から翌朝の朝食まで10時間以上空けることが体内時計を整えるうえで望ましいとされています。夜遅い食事を避けることは、この絶食時間をしっかり確保することにもつながります。

 

忙しくても実践!夜遅い食事の上手な取り方

理想は夕食を就寝の3時間前までに済ませることですが、仕事や家事などでそれが難しい日もあるかもしれません。そんなときに役立つのが「分食(ぶんしょく)」という方法です。分食とは、夕食を2回に分けて取る工夫のことです。夕方の17時~19時ごろに、おにぎりやサンドイッチなど主食を中心とした軽い食事を取っておき、帰宅後の遅い時間には野菜やたんぱく質を中心とした軽めのおかずだけにします。こうすれば夜遅くに大量の食事を取らずに済み、空腹による食べ過ぎも防げます。遅い時間の食事量が減ることで体への負担も軽くなり、体内時計の乱れを防ぐ効果も期待できます。

どうしても夜遅くに食事を取らざるを得ない場合は、内容に気を配りましょう。揚げ物、脂身の多い肉、ラーメンなどの高脂肪・高カロリーな食事はできるだけ避け、消化の良いものを選びます。湯豆腐、白身魚、鶏ささみ、野菜の煮物、雑炊、温野菜のスープなどがお薦めです。野菜、きのこ、海藻といった食物繊維の多い食品を一品加えると、栄養のバランスも整います。また、ゆっくりよくかんで食べることも大切です。よくかむと満腹中枢が刺激され、少ない量でも満足感が得られて食べ過ぎを防げます。

飲み物にも注意が必要です。寝る前のアルコールは寝つきを良くするように感じられますが、実は睡眠の質を下げ、胃酸の逆流も招きやすくなります。コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物も、夜遅くに取ると睡眠を妨げますので控えめにしましょう。夏は冷たい飲み物をついつい飲み過ぎてしまいがちですが、夜遅くに取ると胃腸を冷やして消化機能を妨げ、睡眠中の体の回復にも影響します。常温の水や麦茶などをゆっくり飲むようにすることを心掛けてください。

 

最後に

 

夏本番を迎えるこの季節、暑さで食欲が落ちたり、寝苦しさから生活リズムが不規則になったりして、食生活が乱れてしまっている方も多いのではないでしょうか。仕事の事情で夕食が遅くなるのは仕方のないこともありますが、「いつ」「何を」「どう食べるか」を少し意識するだけで、体への負担は大きく変わります。

すべてを一度に変えるのは難しいので、まずは「夜遅くなりそうな日は分食を試す」「翌朝は食物繊維を含む軽い朝食を取る」「夕食から翌朝まで10時間以上空ける」など、できることから一つずつ実践していきましょう。今日の食事の時間と内容を、ちょっと振り返ってみることから始めてみませんか。
 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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