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ティーペック健康ニュース第316号~『人ごとはない!危険な高血圧・糖尿病を予防しよう』
第316号 2019/1/10
ティーペック健康ニュース
発行:ティーペック株式会社
今月のテーマ『人ごとじゃない! 危険な高血圧・糖尿病を予防しよう』
生活習慣病というと、まず何を思い浮かべますか? 身近に患者がいたり、よく耳にする、高血圧や糖尿病と答える人が多いかもしれません。実際に日本での生活習慣病の患者数は、厚生労働省の「平成26年患者調査の概況」によると、高血圧性疾患が1,010万人で1位、糖尿病は316万人で2位、同じく厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病は予備群を合わせると1,000万人を超えると推計されています。
しかし、毎年の健診で、血圧の数値や血糖値の異常を指摘されても、「そんなに太っていないから大丈夫」「それほど不健康な生活をしていないから」「症状がないし」と、人ごとのように捉えてそのまま放置する人がいるようです。
実際に肥満でない場合や、生活が不健康だと思っていなくても、要精密検査に該当するなど、健診結果が悪い人は多数います。体質はありますが、肥満や偏った生活習慣は、高血圧や糖尿病などの多くの生活習慣病に関係しています。また、生活習慣病は初期には自覚症状がないので、健診結果の数値に表れているなら安心していられません。
生活習慣病になると病気との付き合いは一生続きます。そのまま放っておくと、取り返しのつかないことになりかねません。健診結果で異常を指摘されたら、あなたの人生を守るために生活習慣病の予防に取り組んでください。
気付いたときは手遅れに?
自覚症状のない高血圧の本当の怖さ
高血圧は、ほとんどの人に自覚症状がないため、数値だけのことと最も放置されやすい生活習慣病といえます。しかし、高血圧が続くと血管の壁の柔軟性が失われ、知らない間に動脈硬化が進行します。脳卒中や心筋梗塞など発作により急死することもまれではありません。
【高血圧が引き起こすリスク】
・脳卒中を起こして重い後遺症で日常生活に支障が出る
・心筋梗塞で突然倒れ、命を失ってしまうことも
・血管の壁にできた動脈瘤が破裂し、大出血を起こして急死する
・入浴中にバスタブで心臓発作を起こし、溺死してしまう
〈すぐに始めたい! 高血圧の予防法〉
高血圧を防ぐ基本は、塩分の少ない食事、ストレスと運動不足を避け、肥満を予防することです。まず今より塩分と脂肪分の控えめな食事に変えていきましょう。血圧は自分で簡単に測定できますから、健康管理のために毎日の血圧測定を習慣にしてみませんか。
■外食を減らして食事は薄味を心掛ける
■十分な睡眠と休養でストレスの増加を防ぐ
■肥満を防ぎ、適度な運動をする
■きっぱりと禁煙する
■家庭用血圧計で血圧測定を日課にする
進行すると必ず起きる
恐ろしい糖尿病の合併症
糖尿病で怖いのは全身に及ぶ重篤な合併症です。血糖値をコントロールしなければ、少しずつ進行し必ず合併症を起こします。
【糖尿病が引き起こすリスク】
・腎臓機能低下で人工透析が必要になる
・神経が破壊されるため、壊疽(えそ)を起こして手足を切断することも
・目の網膜にある細い血管が破れ、視力を失う
・動脈硬化の進行で心臓病や脳卒中のリスクが急増
〈すぐに始めたい! 糖尿病の合併症の予防法〉
糖尿病の合併症の予防には、まず血糖値をしっかりコントロールすることです。食生活の改善と運動で余計なエネルギーを減らし、必要であれば医療機関できちんと治療を受けましょう。
■清涼飲料水やスナック菓子などの間食をやめる
■麺類にご飯をプラスするなど、糖質の取り過ぎにつながることをやめる
■ウォーキングや簡単な筋トレで体を動かす
■きっぱりと禁煙する
■健診で血糖値を確認し、必要であれば必ず医療機関で治療する
◇ ◇ ◇
野菜中心でごく薄味の食事のことを、よく「糖尿病食みたい」などとやゆすることがあります。しかし、よく考えてみると、糖尿病食ならば甘さや糖質を抑えるのは分かりますが、なぜ塩分まで減らすのでしょうか。その理由は、糖尿病の人は血圧の高い場合が多く、高血圧は糖尿病の合併症の発症や進行を早めてしまうからです。糖尿病の人は、血圧を低めに保つ管理が必要なのです。
そして、また逆もしかりで、高血圧の人が糖尿病になる割合も高くなるといいます。高血圧と糖尿病は負の相関関係により、知らないうちにあなたの健康をむしばんでいき、やがて後戻りできない状態となってしまうのです。
気付かぬふりをしていても、生活習慣病は決して見逃してくれません。健診結果をよく見ていない、あるいは、数値が悪くても忙しいからとスルーしているあなた! ぜひもう一度見直して、生活改善や医療機関の受診につなげてください。今ならきっと間に合うのではないでしょうか。
<参考資料>
「平成26年患者調査の概況」厚生労働省
「平成28年国民健康・栄養調査」厚生労働省 ほか
原稿・社会保険研究所ⓒ