保土谷化学健康保険組合

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新着情報

[2019/11/12] 
ティーペック健康ニュース第326号~「せきエチケットは社会のルール」

第326号 2019/11/10

 

ティーペック健康ニュース

 

発行:ティーペック株式会社

今月のテーマ『せきエチケットは社会のマナー

「せきエチケット」という言葉をご存じですか?  冬場に流行するインフルエンザや流行性の風邪の感染を広げないために、厚生労働省が提唱している感染予防策の1つです。

人がせき、くしゃみをすると、ウイルスが2~3m飛ぶといわれています。冬に流行するインフルエンザや風邪は感染力が強いため、せきやくしゃみなどでウイルスが周囲にまき散らされると、簡単に感染が広がってしまいます。そこで大切なのが「せきエチケット」です。家庭や職場など多くの人が一緒にいる場所だけでなく、外出する際も、他の人に感染させないために、せきエチケットを守ることが重要です。

周囲の人への感染を防ぐのは、社会で暮らす私たちに必要なマナー。せきエチケットの方法をよく知ってみんなで守りましょう。

 

ウイルス感染の仕組み

まず、ウイルスの感染経路を確認しましょう。インフルエンザや流行性の風邪のウイルスは主に以下の2つの経路から感染します。

 

<接触感染>

感染した人のせきやくしゃみ、鼻水などに触れた手が、机やドアノブ、電車のつり革などに触れるとウイルスが付着します。他の人がそのウイルスに触れ、汚染した手で目や口、鼻などに触ると粘膜から感染してしまいます。

<飛沫感染>

せきやくしゃみなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、それを吸い込むことで感染することです。しぶきが飛び散る範囲は2~3m、放出されるウイルスの量は1回のせきで約5万個、くしゃみで約10万個にも及びます。

 

「せきエチケット」の3つのポイント

1. 体調が悪いときはしっかり[マスク]

 せき、くしゃみが出るときは、他の人にうつさないように必ずマスクを着用しましょう。

2. せき、くしゃみは[ティッシュ]を当てて

 マスクがない場合はティッシュなどで口と鼻をおおい、顔を他の人には向けずに、できれば1m以上離れましょう。また、鼻水・たんなどを含んだティッシュは、ふた付きのゴミ箱に捨てるようにし、ティッシュを押さえた手はただちに洗いましょう。

3. ティッシュがないときは[自分の腕]に

 外出先などで、マスクもティッシュもない場合は、洋服の肘の内側などで口と鼻をおおいましょう。

 

手で押さえるのはNG

せきやくしゃみをするときに、つい手で押さえてしまいがちな人もいるでしょう。しかし、手で押さえると、隙間から唾液の飛沫が飛び散ってしまうことがほとんどです。そして、その手を洗わずにドアノブやスイッチなどいろいろな場所を触ってしまうと、他の人がそこを触ってウイルスを拡散してしまいます。小まめな手洗いを心掛けましょう。

 

感染を防ぐ!マスク着用の注意点は――

・できればサージカルマスクを

マスクは、不織布製のサージカルマスクが望ましいですが、通常のガーゼ等のマスクでもせきをしている人のウイルスの拡散をある程度防ぐ効果はあると考えられます。

・説明書を読んで、正しく着用

隙間ができないようにノーズクリップを鼻の形状に曲げ、鼻の上からあごの下までしっかりおおいます。

・使用中はマスクに触らない

特に、口周りをおおうフィルター部分にはたくさんウイルス・菌が付着しているので触らないよう注意し、触ったときはすぐに手を洗いましょう。

外すときにも注意を

   ゴムの部分を持って、上の方に移動させ、フィルター部分の表面に触らないよう注意して顔から外し、廃棄したらすぐに手を洗いましょう。

 

◇    ◇    ◇

 

2008年から厚生労働省により、インフルエンザ対策の一つとしてを提唱されている「せきエチケット」。スタートから10年以上の時が経ち、インフルエンザシーズンになるとマスクを着用する人を多く見かけるようになりました。

とはいえ、くしゃみについては、依然として手で押さえる光景をたくさん目にします。ティッシュの代わりに着ている洋服を使うのには、習慣がないことからまだまだ抵抗があるのかもしれません。しかし、せきやくしゃみの際に、肘の内側で口と鼻をおおうのは、海外では感染予防のためのスタンダードな対応です。逆に外国に行ったときにせきやくしゃみを手で押さえてしまうと、マナー違反として白い目で見られることになってしまいます。

いったんルールとして定着してしまえば、きちんと守ろうとするのが日本人の気質です。いちばんの予防策は予防接種を受けることですが、せき、くしゃみによる感染拡大を防ぐ三種の神器は「マスク」「ティッシュ」、そして「自分の腕」と覚えて、徹底していただきたいと思います。

 

<参考資料>

『さわやか』2017冬号ユニット (制作/社会保険研究所)  ほか

 

原稿・社会保険研究所ⓒ

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