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ティーペック健康ニュース第333号~「食中毒予防は、菌を『付けない』『増やさない』『やっつける』」
第333号 2020/6/10
ティーペック健康ニュース
発行:ティーペック株式会社
今月のテーマ『食中毒予防は、菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」』
食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、家の中での食事が原因の場合も少なくありません。
気温や湿度が高くなるこれからのシーズンは、食中毒が急増します。
今年に入ってから、新型コロナウイルス感染症予防に目を向けられがちですが、同時に食中毒を起こす細菌やウイルスも常に身近にいることを意識して、家での食べ物の扱いや保存に注意を払い、食中毒の予防を心掛けましょう。
自宅内の食中毒の原因
食中毒は、細菌、ウイルス、自然毒、寄生虫などさまざまな原因が挙げられますが、夏場に家の中で起きる食中毒は細菌によるものがほとんどです。細菌による食中毒は、感染型と毒素型に分けられます。
●感染型
細菌が付着した食品を食べてしまい、体内で増殖した細菌が病原性を持つことで発症します。
[原因となる細菌] カンピロバクター、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、病原性大腸菌(O‐157)、腸炎ビブリオなど
●毒素型
食品内で細菌が産生した毒素を摂取することで起こります。
[原因となる細菌] 黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌など
また、冬場に流行するノロウイルスはウイルス性食中毒の代表で、ウイルスが付着している食品を食べたり、人の手を介して感染が起こります。
胃腸や体力が弱っている時は食中毒にもかかりやすいので、衛生上の管理とともに、暴飲暴食をしないようにし、十分な休息を取るなど、体調を整えることも大切です。
食中毒予防は3原則に忠実に
予防策は菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」が原則です。
まずは徹底的に「洗う」こと。細菌が食べ物に付かないように、手、食材、調理器具をしっかり洗いましょう。
次に細菌の増殖を防ぐために、「低温で保存し早めに食べる」こと。細菌が増殖しないように保冷パックなどで低温を維持し、できるだけ早めに食べるようにします。
調理の際に特に重要なのが「加熱する」こと。加熱は細菌を死滅させるために最も効果的です。食材は中心部まで(75℃で1分間が目安)、十分に加熱してください。
家庭での食中毒予防のポイント
≪買い物・食材選び≫ ・賞味期限を確認する ❶➋ ・肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う ➋ ・肉や魚などは汁が他の食品に付かないよう、分けてビニール袋に入れる ❶➋ ・寄り道しないですぐ帰る ➋ ≪食材の保存≫ ・帰宅したら生鮮食品はすぐ冷蔵庫に入れる ➋ ・肉や魚は汁が他の食品に付かないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけて保存する ❶➋ ・庫内の温度が下がらないよう、冷蔵庫には詰め込み過ぎない ➋ ≪調理≫ ・調理の前に丁寧に手を洗う ❶ ・食材は十分な流水で洗う ❶ ・肉や魚は、中心部分の温度が75℃で1分間を目安に、十分に加熱する ➌ ≪食事≫ ・食事の前にせっけんで手を洗う ❶ ・作った料理は長時間、常温で放置しない ➋ ・温かい物は温かいうちに、冷たい物は冷たいうちに食べる ➋ ≪残った食品の保存≫ ・保存の作業前に手を洗う ❶ ・清潔な容器に保存する ❶ ・保存して時間がたち過ぎた物は思い切って捨てる ➌ |
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新型コロナウイルス感染拡大防止のため多くの人が外出を控える中、レストランなどの飲食店で外食する機会が激減し、家で食事をすることが増えました。飲食店では苦しい経営状況を少しでも改善するため、店内メニューのテイクアウトや宅配の弁当などを始めているところも多く、家で外食メニューを楽しみたい人たちの人気を集めています。
しかし、こうした新しい食のスタイルには注意点もあります。店内メニューは本来、出来立てを食べることを前提に作られた料理であり、時間が経過してから食べると食中毒のリスクが高まる可能性があります。
特に夏場の食中毒で注意すべき料理は、生野菜を使ったサラダや傷みやすい鶏肉料理、カレーや煮込み料理などが挙げられます。中でも液状の食品は冷めてきた際に菌が増殖しやすいため、食べる時には再加熱し、なるべく早く食べるようにしましょう。
新型コロナウイルスだけでなく、食中毒の細菌にも注意を払い、健康的にこの夏場を乗り切りたいものです。
原稿・社会保険研究所ⓒ