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ティーペック健康ニュース第339号~「『お薬手帳』を活用していますか?」
第339号 2020/12/10
ティーペック健康ニュース
発行:ティーペック株式会社
今月のテーマ『「お薬手帳」を活用していますか?』
薬局などで配布されている「お薬手帳」は、医療機関にかかったときに処方薬の情報を記入するための手帳です(シール貼付の場合も)。処方された薬の種類や飲む量、回数などに関する情報を、時間の経過に従って記録するためのものです。
持病のある人には薬の管理に欠かせない重要なツールである一方、普段あまり病気をしない人は、お薬手帳は自分には必要ないと感じているかもしれません。たまに風邪をひいたときなどに医療機関を受診し、薬局で「お薬手帳はお持ちですか」と聞かれて、改めて思い出す人も多いことでしょう。
しかし、お薬手帳は薬の管理だけでなく、アレルギーの有無、副作用歴、既往歴など健康管理に役立つ情報もまとめられ、活用することでさまざまなメリットがあります。
世代を問わず、持病の有無にかかわらず、お薬手帳をもっと積極的に活用しましょう。
お薬手帳のメリットに注目!
薬にはプラスとなる主作用に加え、マイナスとなる副作用のリスクがあります。薬を安全で効果的に服用するために、お薬手帳に服用データを記録することはいざというときに大いに役立ちます。
・薬の重複や飲み合わせによるリスクを減らせる
・過去のアレルギーや副作用歴が分かる
・他の医療機関へ受診したときに情報伝達がスムーズになる
・災害時や旅行先などでの緊急時に、服薬情報を伝えやすい
・調剤費用が安くなるので薬代を節約できる
※調剤費用が安くなるには条件があります。詳しくは調剤薬局でご確認ください。
お薬手帳に記入することは?
お薬手帳は、単なる服薬記録ではなく、医療機関が適切な薬の処方をするための大切なデータです。薬の服用に際して気になることがあれば、以下の項目以外にもメモしておきましょう。
・氏名、連絡先、アレルギーの有無など、基本情報を忘れずに
・これまでのアレルギー歴、副作用歴、主な既往歴など
・持病がある場合は、その情報を記入する
・市販薬やサプリメントなどを使用している場合はメモしておく
・飲み残しや手元に余っている薬の量 など
お薬手帳は1冊にまとめよう
薬局に行くたびにその都度お薬手帳をもらい、家に何冊も保管されてはいませんか。お薬手帳は1冊にまとめた方が効率的です。使用している薬のすべてが1冊に記録されていれば、重複投与や飲み合わせなどを心配してあれこれ確認しなくて済みます。市販薬やサプリメントなどを使用している場合はその情報もメモしておきましょう。
手軽に利用できる「お薬手帳アプリ」 スマートフォンを使っている人には、「お薬手帳アプリ」が手軽でお薦めです。アプリには、さまざまな会社が提供しているものがありますが、公益社団法人日本薬剤師会が提供している「eお薬手帳」は無料で利用できます。QRコードで薬の情報を得られるほか、処方箋の画像を薬局に送信することで待ち時間を短縮することもでき、服薬時間を知らせるアラーム機能も利用できます。さらに一つのアプリで家族全員の情報を管理することも可能です。 ※処方箋送付による予約には、すべての調剤薬局が対応できるとは限りませんが、対応できる薬局を検索できます。 |
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日本薬剤師会の2018年調査によると、お薬手帳の利用は全年代平均で64.3%、70代が80.7%で最も高く、以下年齢が若くなるにつれて利用率は下がり、20代では53.6%となっています。
若い人は、医療機関を受診する機会が少ないためと考えられますが、ドラッグストアで市販薬やサプリメントなどを購入する場合にも、リスクを減らすことに役立ちます。市販の風邪薬やサプリメントの中には、アレルギーを引き起こす可能性がある食物を原料としたものもあります。お薬手帳を活用することで自分のアレルギーや既往歴を把握し、安全に使うことができるのです。
活用次第でメリットの大きいお薬手帳を、使わないのは大変もったいないことです。お薬手帳は、できれば保険証と一緒に保管し、医療機関や薬局、ドラッグストアに行く際は、忘れずに持参するようにしましょう。
原稿・社会保険研究所ⓒ